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【手首のアーチ】を取り戻す簡単体操で頑固な痛み・こり・冷えが解消!②

自分の手首のアーチが崩れているかすぐにわかる!2つの簡単セルフチェック

 足裏のアーチとは違って、皆さんが手をじっくりと眺めても、手首のアーチが崩れているかどうかを確認するのは難しいものです。ですから、手の柔軟性を調べる2つのチェックテストを行ってみましょう。

 1つ目のチェックテストは、手を広げた状態から、親指と小指を内側に曲げたときに、爪が正面で向き合うかどうかを調べます。

とても簡単な動きなのですが、爪が向き合わないばかりか、そもそも親指と小指をうまく曲げられない人も珍しくありません。

 これは、手の指先を酷使してきたために、手首から指に向かって放射線状に広がっている筋肉がガチガチに硬くなって、筋膜(30ページ参照)がよれてしまい、指がうまく動かせなくなっている証拠です。

利き手のアーチほど崩れやすい

 次に、このチェックテストを両手で同時に行ってみましょう。おそらく、利き手のほうが親指と小指を曲げにくかったり、筋肉がひきつったりするような痛みを感じるはずです。ふだんから私たちは、主に利き手を使っているので、手首のアーチも利き手のほうが崩れやすいのです。

 多くの場合、利き手側の肩や首すじのこりがひどかったり、ほおがたるんで下がっていたりします。体の左右のバランスが悪くなってしまっている人は、利き手の手首のアーチも大きく崩れている可能性が高いでしょう。

手のひらの中央に縦ジワができるのが理想

 2つ目のチェックテストでは、まず、右手を広げてから、親指と小指の腹どうしをくっつけます。そして、左手を使って、右手の甲側から手のひらの側面を挟んでください。このとき、挟まれた右手の手のひらは、手首の幅に収まっていますか。手のひらが手首の幅に収まらない人は、手首のアーチが崩れています。理想的なのは、手の中央に縦ジワができるほど、手のひらを折り畳める状態です。このチェックテストは、左手でも行ってください。

 今回紹介した2つのチェックテストのような手の動きは、人間の長い歴史の中で、生存するために必要とされたものです。

 人間の祖先は、もともとは四足歩行でしたが、直立して二足歩行をするようになりました。これは高い木にる実を取ったり、食料を両手で抱えて移動したりするための進化です。このような物をつかむ動作では、手首はアーチ状になり、手の親指と小指は向かい合っています。言い換えれば、物をつかみやすいように、進化の長い過程の中で手首のアーチが形成されてきたのです。

 ところが、近年になってからは、食料を獲得するためにつかむ動作を行う必要が少なくなってきました。代わりに、スマートフォンやパソコンを使う時間が急増しています。

 例えば、スマートフォンを操作しているときには、多くの人が手のひらを広げ、その上にスマートフォンを載せて固定し、主に親指を使っています。それから、パソコンを使っているときは、手のひらを広げた状態で机の上に固定し、指先だけでキーボードを操作しています。

 このような手の使い方は、人間の本来の動きとは大きく異なり、無理があるのです。そのため続けていると、手首のアーチが崩れてしまいます。その悪影響が腕や肩に伝わって、肩こりなどに悩まされる人が増えているというわけです。肩こりは現代病と呼ばれていますが、まさに今の時代の手の使い方が引き起こしている症状なのです。

 これまであまり注目されてこなかった手首のアーチですが、実は現代人が悩まされている首・肩のこりなどと深く関係しています。まずは2つのチェックテストで、ご自分の手首の状態を確かめてください。

(次回③に続きます)