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【手首のアーチ】を取り戻す簡単体操で頑固な痛み・こり・冷えが解消!③

手首アーチの崩れを改善し痛みから冷えまで治す

 肩がこっている人は肩ばかりを、手が冷える人は指先ばかりを気にしがちです。

 しかし、こうした不調を招いている原因が別のところにあることは珍しくありません。ですから理学療法の施術では、例えば、肩こりに対しては、患部である肩を直接刺激せずに、肩こりの引き金になっているポイントを施術して、症状を改善させるアプローチを行います。

 そして肩こりだけでなく、指先の冷えも、引き金になっているポイントは、多くの場合、手首のアーチです。アーチが崩れているために、血流が妨げられ、指先が冷たくなっているのです。さらに、筋膜のよじれが生じて、腕や肩、さらには顔や背中にまで不調が起こっています。

 ですから、手首のアーチを取り戻すことが、なによりも大事なのです。そのためには、「手のひらもみ体操」で手のひらの筋肉と筋膜をほぐし、「手つぼみ体操」で手首のアーチを形作る筋肉を鍛えるといいでしょう。

固まった手をほぐず「手のひらもみ体操」

 手には、小さな筋肉が手首から指に向かって放射状に広がっています。ものをつまんだり、キーボードをたたいたりするといった複雑な動きをできるのは、手の筋肉が協調して働いているためです。

 ところが、スマートフォンを長時間使うなど、偏った動きを続けていると、筋肉どうしが束のようにくっついて、ガチガチに固まるのです。そして、筋肉を包む筋膜もよれてしまいます。

 ですから、手のひらもみでは、筋肉の束をほぐすようにもみほぐしていきましょう。軽い力だとほぐれないので、イタ気持ちいいぐらいにしっかりと圧力を加えてください。

 最初に、手のひらの中央の筋肉を、らせん状に下から上へともみほぐしていきます。手のひらに縦の折り目をつけるようにもんで、手首にアーチを取り戻すためです。

 そして親指と小指のつけ根にある筋肉も同様に、束をほぐすようにもんでいきます。

 最後に小指の側面をもむのですが、この部分の筋肉をほぐすことで二の腕のたるみが解消します。小指の筋膜が二の腕につながっているからです。たるみが気になっているかたは、小指の側面を念入りにもむことをお勧めします。

 手のひらもみは、朝に1回と、夜の入浴中などにもう1回行えばじゅうぶんです。また、1カ所につき、下から上に向かって3回を目安にもむといいでしょう。利き手のほうが筋肉は酷使されているので、念入りにもんでください。

 パソコンやスマートフォンを長時間使う人は、休憩中などにも、こまめに手のひらもみを行い、筋肉の疲れを残さないようにしましょう。

固くなった手のひらをもみほぐす「手のひらもみ体操」

①~⑤を1セットとして、3セット繰り返す

1 手のひらの中央を下から上にらせん状にもむ

2 親指側の手のひらを下から上にらせん状にもむ

3 親指の側面を下から上に向かって押しもむ

4 小指の側の手のひらを下から上に向かってもみほぐす

5 小指の側面を下から上に向かって押しもむ

アーチを作り手首の力を取り戻す

手首の筋肉を鍛える「手つぼみ体操」

 手つぼみ体操では、手首のアーチを形作るための筋肉を鍛えます。

 まず両手を前に伸ばしてから、親指と小指の腹どうしをくっつけて、くっつけた場所に残りの3本の指を添えます。これで、手首にアーチが作られた状態ができます。

 この状態のまま、手首から先の部分をゆっくりと上下に動かして、手首のアーチを維持する力を取り戻します。上に動かすのは大変だと思いますが、丁寧に行ってください。

 手つぼみ体操は、1日につき30秒を、できれば昼間に行います。30秒を1回でも、10秒を3回でもかまいません。昼間に行うのは、手つぼみ体操のようなエクササイズは、体を活発に動かしている時間帯に行ったほうがよいからです。

 手のひらもみと手つぼみ体操については、手の骨折やケガなどがない限り、誰でも行えます。通院しているかたについては、医師に相談した上で行ってください。

 大事なのは、無理をせず、痛いと思ったらやめること。手つぼみ体操は、親指と小指がくっつけられない場合、指が離れた状態で行ってもかまいません。できる範囲で続けているうちに、肩こりや冷え症などが改善し、体が楽になるでしょう。

「手つぼみ体操」

①、②を1セットとして最低3回繰り返す

1 親指と小指をつけ、五指を写真のようにまとめ、両手を前に伸ばし手をすぼめて手首から先を下げる

2 手をすぼめたまま、手首から先を真上に引き上げる