太陽神や鳥伝説とのつながりを確信した
天照大神を筆頭に、太陽神には女性が多く、ものを生み出す「再生の象徴」というイメージがあります。
そこに私自身の太陽を表す名前や、生まれが酉年であること、日本に来たときの産土が八咫烏伝説があった加茂神社(石川県羽咋市)だったなど、さまざまな要因が重なり、私のルーツと太陽神との並々ならぬご縁を感じるに至りました。
しかも、母方の愛新覚羅家にはさらにおもしろい鳥伝説まであるのです。中国の少数民族・満洲族である愛新覚羅家の起源を伝える神話はこのようなものです。
〝長白山という山のてっぺんの天池で、遠い空(天界)から7人の天女のうち3人が水浴びに降りてきていた。みな羽衣を脱いで水浴びしていたところに、口に赤い実をくわえた神の使いのカササギ(別名カチガラス)が飛来し、1人の天女がカササギが落とした実を食べて子を宿した〟
これが愛新覚羅家の始まりだというのですから、わが家系の神話ルーツは天女とカササギ(鳥)だったのか、となります。
先に説明した現代中国の3つの太陽と三足烏は共通性があると私は感じますし、3つの太陽の最初の「夜明けの太陽」を名付けられた私は三姉妹の長女でもある……。太陽信仰について調べるほどに、鳥と太陽に関する共通項がどんどん見つかり、研究や理解が深まり続けています。
「ありのまま」の神に触れられる聖域を求めて
以上のようなことから、私は世界中の太陽信仰や古代祭祀に興味を抱きつつ、まずは足元のアジア圏の古代祭祀にできるだけ足を運んで直接触れようと、時折訪れる啓示を指針にあちらこちらを巡っています。
日本は、島国ならではといえる信仰の軌跡の保存力や、他国の〝いいとこ取り〟的な文化の成り立ちが魅力です。大陸で失われたものや、神仏習合の名残に触れられるのは本当にすばらしいと感じます。
対馬のような離島などには「ありのまま」の神に触れることができる希少な聖域が残存している。そうした場に出向くために、私は活動の場を日本に移す運命に導かれたのではないか、と感じるほどです。