おなかが凹むばかりか体全体がシャープに見える
私はパーソナルトレーナーとして、月に200本以上の個人セッションを行い、多くのクライアントの体型改善をサポートしてきました。
誰でも容易にできるシンプルな筋トレで、もっとかっこいい体、もっと健康な体を手に入れるための方法や考え方を広く伝えるのが、私のミッションです。
世界的な指揮者の佐渡裕さんも、私の元クライアントの一人です。筋トレで、15㎏の減量に成功しました。佐渡さんはいったんトレーニングのスイッチが入ると、コンサート会場の控え室や、ホテルのベッドでも、没頭して取り組まれていました。
私がお勧めしている筋トレは、「自重筋トレ」といって、自分の体重を利用する筋トレです。道具が不要で、一畳程度のスペースがあれば、いつでもどこでもできるのが利点です。
今回紹介するのは、おなかを凹ませる自重筋トレ、「ゆる腹筋」です。腹筋にアプローチすると、おなかが凹むのはもちろん、体全体がシャープに見えてきますし、姿勢がよくなる、疲れにくくなる、体脂肪が減るなど、さまざまなメリットを得られます。
筋肉量が減るとおなかはたるむ
ところで、おなかがポッコリ出てくるのには、どんな原因があると思いますか?
主な原因の1つ目は、加齢などによる筋肉量の減少です。
一般に筋肉量は、20代をピークに、30歳から毎年0.5%ずつ減少し始め、50代からはさらに加速し、毎年1%ずつ減少していくとされます。
筋肉量が減ると「基礎代謝」が低下します。基礎代謝とは、心身ともに安静な状態のときに、生命維持のために消費される必要最小限のエネルギー量のこと。
基礎代謝が低下し、エネルギーの消費量が減ると、余ったエネルギーは脂肪として蓄積されます。これがポッコリおなかのもっとも大きな原因です。
そして2つ目には、ふだん、パソコンやスマホを使用する際の姿勢が挙げられます。正しい姿勢を意識しているつもりで、いつの間にかネコ背になってはいないでしょうか。
このような姿勢の乱れが長時間続くことも、おなかが出やすくなる一因です。 コロナ過による外出自粛に伴い、スマホやパソコンの使用時間が増えているかたが多いと聞きます。
姿勢が崩れるとおなかがポッコリ出てくるものだと、心得ておく必要があるでしょう。
筋トレは老化を防ぐと判明
腹筋を鍛え、おなか周りの筋肉を増やすと、基礎代謝が上がるので、体脂肪率が低下し、おなかがキュッと凹みます。
さらに、これは腹筋に限ったことではありませんが、実は筋トレをすると、成長ホルモンの分泌が活性化するので、肌にハリや潤いが生まれて、アンチエイジング効果も期待できるのです。
それから、筋トレにはもう一つ、重要なメリットがあります。
誰でも筋肉量が減少すると、なんでもない日常の動作がしづらくなり、動くことがおっくうになって、知らず知らずのうちに行動範囲も人間関係も狭まってしまうもの。これでは人生が、どんどんつまらなくなってしまいます。
筋トレで体を動かす習慣をつけていて、筋肉量の維持・増加を心がけている人たちは、いつも気持ちが前向きで、活動範囲が広いものです。
しかもスタイルがよくなると、周りの人たちが自分を見る目が変わります。そのため、いっそう毎日が楽しくなっていきますし、活動範囲もさらに広がります。
実際、そのように報告してくださるクライアントさんは、少なくありません。
自分に自信がつくと人生が豊かになる!
ランニングやウォーキングなどの有酸素運動で体型をコントロールしているかたもいますが、私がお勧めするのはやはり自重筋トレです。体の狙った部分に効果的にアプローチできますし、ケガのリスクも少ないからです。
有酸素運動は、着地時の強い衝撃でひざを傷めるリスクがあります。自重筋トレは、関節を自然な方向に曲げて、適度な負荷をかける動きで構成されていますので、長時間歩いたり走ったりするのと比べて、安全性が高いのです。
今のように自由に外出できない状況でも、狭い部屋の中でも続けられる点も、自重筋トレをお勧めする理由の一つと言えます。
ゆる腹筋は、正しいフォームで1回5分、週2回でじゅうぶん。短時間でも限界のきつさまで行えば、2カ月程度で成果が現れます。
朝昼晩いつ行ってもかまいませんが、決まった時間帯に行うのが継続のコツです。また、5分で何回行えたかをスケジュール帳に記しておくと、筋力の変化が明確になり、続けるモチベーションにつながります。
実際に行ったかたからは「13㎏やせて体力がついた」「12㎏やせたうえ重い生理痛も解消した」など多くのお声が届いており、中には40㎏やせたかたもいます。
筋トレで、理想の体つきを実現すると、自分に自信がつきます。自分に自信を持つのは、人生を豊かに生きるためのとてもたいせつな条件の一つです。数ある腹筋のやり方の中でも、特に手軽で何歳からでも始めやすい手法をご紹介します。豊かな人生のために、ぜひお試しください。
正しいフォームで1回5分、週2回が『ゆる腹筋』の頻度の目安。限界のきつさまで行えば、着実に成果が現れます。
次回は具体的な『ゆる腹筋』のやり方をご紹介します。