お金の支払いは人生の目的達成のため
私は心理技術アドバイザー、メンタルトレーナーとして、言葉と心理技術を駆使することにより、クライアントさんの悩みや病状、果ては未来までを変えていくメソッドを伝えています。
人間の脳、とりわけ後ほど説明する「メタ無意識」には、現実を動かす大きなパワーがありますが、これには言葉が大きく影響しています。実際、お金持ちになれる人と貧乏な人の違いは、その人の能力よりも言葉に現れています。
お金を使うとき、貧乏な人は「また、お金が出ていく……」と、お金が勝手に出て行ってしまうかのようにつぶやくのが特徴です。これには「お金は自分でコントロールできないものだ」という前提があるわけです。
一方、お金持ちは「お金は自分でコントロールするものだ」という前提を持っています。以前、こんなことがありました。
私と同時期に起業した知人と、喫茶店でコーヒーを飲んだときのことです。彼は支払いの際、「私には〇〇という人生の目的、そして〇〇達成という数値目標がある。そのためにコーヒー代500円を支払う」と独り言を言っていたのです。
コーヒー1杯の支払いに対しても、 それが自分の人生にとってどういう目的を達成するための行動なのかをメタ無意識に教えることができれば、支払いは自分でコントロールできていることになります。そして、脳は「お金が出ていくのが嫌だな」ではなく、「また一つ目標達成に近づいた」と認識してくれます。
この「自分でお金や現実をコントロールしている感覚」や「前に進んでいる感覚」がエネルギーとなるのでしょう。彼は今、一部上場企業の社長になっています。
実は私も彼の真似をして1年間、お金を払うときに目的をつぶやき続けました。すると、その1年間で年商が3倍になったのです! お金をイヤイヤ払うのか、目的を持って払うのかで人生は確実に変わります。
メタ無意識を変えれば運命さえ変わる
使う言葉が変わると、脳の動きかたが変わり、脳から体に伝わる信号が変わります。すると行動が変わり、環境が変わり、運命が変わります。そればかりでなく、脳に適切な言葉で適切な情報を与えてあげれば、必要なチャンスやお金を勝手に集めてくれるようになります。
つまり、変えたい現実がある場合、現実そのものに対してアクションを起こすよりも、まずは脳に働きかけるほうが効率がよいわけです。
あなたが「お金持ちになりたい」と思っているならば、小手先の努力で副業をしてみたり、労働時間を増やしてみたりするのではなく、脳に働きかけてメタ無意識を「お金持ちの器」に変えてしまうほうが早いのです。
では、ここからはメタ無意識について説明していきましょう。私たちの意識には、顕在意識、潜在意識、メタ無意識の3つがあります。
顕在意識
最も表面的な意識。日常生活でいつも使っている意識で、容易に知覚できます。
潜在意識
顕在意識の奥にあり、知覚できない領域です。眠っているときなどに活性化され、顕在意識に大きな影響を与えます。
メタ無意識
潜在意識を入れる器のようなもの。私たちの現実を作り出す思考の「前提」となる意識のことです。
同じ潜在意識でも、器次第で見え方が変わってきます。これは、世界に向けて「私はこういう人間です」とアピールする、目に見えない看板のようなものです。例えば、普通のコップにオレンジジュースを入れたらジュースは円柱状に見えますが、ブーツ型のビアグラスに入れたらブーツの形に見えます。
これと同じで、自分自身に「私は価値がない、バカだ、無力だ」と心の裏でネガティブな言葉をかけていると、そのメタ無意識が潜在意識にも投影され、周りの人にも「ダメな人」として扱われるようになります。
一方、「私は世界を動かす人間だ、私は世界に価値をもたらす」という言葉でメタ無意識が形作られていると、周りからは「デキる人」として扱われるようになります。
これに、本人の能力は関係ありません。自分にかける言葉を変えて、「自分とはこういう人間だ」という前提を変えることで、掲げている看板が変わります。そうすると受け手の印象が変わり、看板にふさわしい現実がついてくるのです。
(次回に続きます)