自分では気づいていないかもしれませんが、私たちは誰でも、すごーくがんばって生きています。
「きちんとしなくちゃ」「家族のために」「しっかりしないと」……そんなふうに、自分にプレッシャーをかけているうちに、体は緊張でガチガチになってしまうのです。
肩こりや頭痛、腰痛、ひざ痛から、ネコ背やO脚などの不良姿勢、高血圧やめまいなどの病気も、そういった緊張から起こっていることも少なくありません。
そこで今回は、唱えるだけで緊張をふわっと緩める「魔法のフレーズ」をご紹介します。
緊張が緩んで体がふわっとすると、姿勢は自然と美しくなり、楽に維持できます。ぜひお試しください!
「魔法のフレーズ」で体が緩み、ふんわりリラックスして血圧が下がった!顔面マヒも軽快
思い込みを外せば、体が緩み、姿勢や不調が改善していく。そのためのツールとなるのが、魔法のフレーズです。では、なぜ魔法のフレーズが思い込みを外すことに役立つのでしょうか。
姿勢を矯正したり、体を緩めようとするとき、「リラックスしてください」とか「力を抜いてください」と言われることがあります。
しかし、考えてもみてください。緊張でガチガチに固まっている人に「リラックスして」と言ったところで、具体的にどうすればよいのか、わかるわけがないと思いませんか?
わからないことに対して、人は体をさらに固くします。つまり、こうした指示は逆効果なのです。一方、魔法のフレーズは、「頭の中で小舟が静かにゆれています」「背骨が鎖のようにゆれています」といったぐあいに、どんな状況を作り出せばよいのかを、直感的に理解できるよう言葉にしています。
加えて、頭の中で小舟をゆらすとか、背骨を鎖のようにゆらすなど、現実にはできないことを提示しているのも重要なポイントです。
頭で考えてもできないことだからこそ、体はなんとか工夫して実現しようとするのです。
思考を通さず体が動くとき、人は自然と思い込みを外しています。縛りを解かなければ、体は自由に動けないからです。
この「思い込みがなければ体は自由に動ける」ということを、私は幼稚園児たちから学びました。
私の子どもの発表会に行ったとき、園児たちは「風」とか「波」といった抽象的な役を、思いのままに表現していました。そして見ている側にも、それが風や波であることがきちんと伝わってきたのです。
「風とはこういうもの」「波とはこうでなければならない」という思い込みで縛られた大人では、こうはいかないでしょう。
魔法のフレーズは、私たちを余計な思い込みのない幼稚園児の頃に戻すツールといっていいかもしれません。それによって、体を縛りつけていたものがなくなり、楽で快適な姿勢や体の状態を、自分で作り出していくことができるのです。
自分で作り出す姿勢だから再現できる
なお、人の指示で「こうあるべき」とされている姿勢に矯正した場合と、自分の体がラクで快適な方向を求めてたどりついた姿勢とでは、全然質が違います。
束縛されず自由であることは、体も心も健全にします。
私はこれまで、姿勢の悩みや体の痛み、内臓の不調や心の病まで、さまざまな問題を抱えた人たちを回復させてきました。
魔法のフレーズは、こうした臨床の場で私が使っていた言葉がもとになっています。医師もお手上げだった治りにくい病気を、改善に導いたことも多々あります。
一例を挙げると、あるとき顔面麻痺の女性が私の施術を受けにきました。整形外科、耳鼻科、神経内科をたらい回しにされ、ステロイドなどの強い薬を使ったものの、少しもよくならなかったといいます。
見たところ、筋肉の極度の緊張が確認されたので、セッションの際、魔法のフレーズも併用しつつ、思い込みをとり払い、緊張した体を緩めていったところ、1カ月半ですっかりよくなりました。
ちなみに、高血圧もよくなるケースがあります。高血圧のかたは、体がガチガチに緊張している人が多いのです。体が緊張してギュッと固まった状態だと、全身の動脈も締め付けられて血流が悪くなり、心臓に負担をかけてしまいます。
ところが、魔法のフレーズで緊張を解いていくと、体が緩み、ふんわりリラックスするため、血圧が正常に戻るのです。
次回はお勧めの「魔法のフレーズ」を5つ、ご紹介します。