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【マインドフルネス再入門】”今ここ”に集中する呼吸法で不安・イライラ・パニックが消えひらめき力がアップ!(その1)

ストレスに柔軟に対処できるようになる技法として、一大ブームになった「マインドフルネス」。「今この瞬間」の体の感覚や気持ちに気づく方法です。身につけると体調の管理や感情のコントロールができるようになり、さらには、集中力や創造力を高めることもできます。何度か試したけど忘れてしまったあなた、気になってはいたけど…というあなたへ、再入門記事をお届けします。
世界を広げる心のエクササイズを、ぜひお試しください。

①ストレスに折れない心をつくる「マインドフルネス」7つのメリット

「あなた、今怒っているんじゃない?」
「怒ってなんか、いないわよ!」
 これはよくある光景です。

「人は感情の動物」と言われます。感情に振り回されると、冷静になれず、人との間に摩擦が起きたり、心が疲れたりします。

私はストレスに対処するための心のエクササイズ「マインドフルネス」を皆さんにお伝えしています。

マインドフルネスは「今この瞬間に意識を向けて、自分の体の感覚と気持ちに気づく」ための方法です。

欧米では、医療や教育などの現場で広く実践されており、効果については多くの研究報告があります。

マインドフルネスがおもしろいのは、「私は怒っている」「私は焦っている」といったマイナスの感情も、否定的な感情だからよくないと判断しないで、そのまま受け入れることです。

すると、「私は今こういう状態なんだ」と気づきます。そして、マイナスの感情に飲み込まれることなく、適切に対処することができます。つまり、ストレスに折れず、しなやかに対応できる自分になれるのです。

マインドフルネスにはいろいろな方法がありますが、今回ご紹介する呼吸のマインドフルネス(文中では「今ここ集中呼吸」と呼びます)は、誰にでもできて効果が高く、お勧めです。この呼吸法には多くのメリットがあります。

①いつでもどこでも、誰でもできる

シンプルな呼吸法なので、子どもからお年寄りまで、誰にでもできるのが最大のメリットです。一度身につけると、いつでもどこでも、感情をセルフコントロールすることができます。

②人との摩擦が減り、対人関係がスムーズになる

対人関係において、マイナスの感情に引きずられたまま過ごしていると損をします。

例えば、「この人、怒っているみたい。この話をするのはやめておこう」というように相手が壁を作ります。

しかし、「今ここ集中呼吸」で自分の状態に気づけるようになると、マイナスの感情が生じても、冷静に自分が見られてマイナスの感情を引きずらなくなり、対人関係のストレスから解放されます。すると、人との摩擦が減って、対人関係もスムーズになります。

③大事な場面で堂々と振る舞い、能力を発揮することができる

試験や会議での発表など、大事な場面であればあるほど不安や緊張に苛まれがちです。

そんなときにこの呼吸を行うと、「今ここの自分」に気づくことができ、冷静になれて不安や緊張から解放されます。そして持っている能力を存分に発揮することができます。

④ひらめきやアイデアが生まれ、クリエイティブな感性が磨かれる

私は報告書をまとめるときなど、「アイデアが浮かばなくて困ったな」となったら、この呼吸を行います。

ほんの数分やって席に戻ると、「こういうふうに書けばいいのか!」とアイデアが出てくるのです。

これは「シンプルな自分」に戻れるからだと思います。

つまり、自分の中にはすでにアイデアがあるのですが、他者の目をあまりにも意識しすぎて、自分がほんとうに感じていることや考えていることに思いが及ばない状況にあるのです。

それが、この呼吸法をすることで、うまく書こうという気負いがなくなり、ほんとうに書きたいことがクリアに見えてくる、という感覚です。

マインドフルネスは、アメリカではグーグルの社員研修に用いられていることが知られています。ひらめきが生まれ、ビジネスや研究などでユニークな発想・表現ができるようになるのも大きなメリットです。

⑤不安やパニック、トラウマにも自分で対処できる

「今ここ集中呼吸」は、うつや不安、パニック、トラウマなどを和らげるのに役立ちます。専門家や薬の力だけではなく、自分でコントロールできるのがよいところです。

あるかたはパニック障害で15年もの間、投薬治療を受けていました。その間、閉塞した空間にいると不安で過呼吸の発作が出やすいため、長距離の電車に乗れずにいました。しかし、この呼吸を身につけたことで症状が治まり、「新幹線に乗れるようになりました!」とうれしそうに報告してくれました。

⑥慢性的な痛みから解放される

この呼吸法は、慢性的な痛みにも効果があります。

痛みを無理やり排除しようとすると、かえって痛みを意識してしまうことがあります。痛みをありのままに受け止め、痛みを観察すると、その下に隠されていた不安などの感情に気づくことがあります。そして、「私は今、不安なんだ」と認め、受け入れると、楽になることがあるのです。

⑦集中力が高まり学力もアップする

マインドフルネスは、欧米では学校教育にも取り入れられ、集中力が高まって学習能力が向上する、いじめなどの問題行動が減る、不安や抑うつ症状のある子どもにも改善がみられた、といったメリットが報告されています。

このように、「今ここ集中呼吸」にはさまざまなメリットがあります。ぜひご活用ください。

次回②に続きます