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【大愚和尚】人間関係の苦しさを手放す!大人気僧侶の一問一答(その⑤)

「お釈迦様は壮絶な経験があったからこそ、人間関係について熟考し、結果として悟りを開かれたのでしょう」(大愚和尚)

人間関係でやりづらさを感じるのは、もしかすると、絶対固定された自分など存在しないのに「私、わたし」と、頑なに我を押し通そうとしたり、今の人間関係の状態に固執したりするあまり、相手に受け入れ難くさせてしまっているからかもしれません。

この世は諸行無常。あらゆるものは移ろい続け、変わらないものはありません。ですから、人づきあいも「去る者は追わず、来る者は拒まず」が望ましいのですが、すぐに実践できる人はいません。心の柔軟性を高めるためには練習が必要。焦らず、自分のペースで習得していきましょう。

「学ぶ」の語源は「真似る」。超一流の先生を真似ることができたら最高です。柔軟に、巧みに生きた先生。苦しみを手放して、完全なる幸福に至った先生。お釈迦様を真似ぶ——つまり仏教を学ぶことで、柔軟に生きる術が身につくのです。

【質問】上司に怒られるのが苦手です。

上司から怒られるのが苦手です。高圧的な上司と接する際の心構えを知りたいです。

【大愚和尚より】自分の至らない点を早めに教わるほうがいいです。

自分の至らない点には、自分ではなかなか気づかないものです。だから、もし何かあなたに問題があったならば、上司が早めに教えてくれるほうが絶対にいいです。

「怒ってくれる上司でよかった」のですよ。一見優しい人柄のようでいて、部下に嫌われるのを恐れて何も言えない上司のほうが、むしろ問題。当たり障りのないことしか言えない上司の元で働いていても、あなたはいつまでも成長できませんし、そんな上司は無責任です。

しかも、しょっちゅうあれこれ言われているほうがいい。というのは、仮に上司が言いたいことを我慢しがちな性格だったとして、あれもこれも蓄積したあげくに大きな雷を落としてきたら、それこそ厄介だと思いませんか?

だから、むしろ日頃より自分のほうから、「何かあったら言ってくださいね」と言っておくといいかもしれません。そうして、お小言や耳の痛い指摘を少しずつ聞いておくようにすれば、上司の感情が“高圧”になるまで蓄積・圧縮されることを避けられます。

あるいは、あなたは怒られるのが嫌なのでなく、その上司のことが嫌なのかもしれませんね。もし相手があなたの好きな人なら、怒られても褒められてもうれしいでしょう? 逆に嫌な相手なら、たとえ褒められても、やっぱり嫌な気分なのではないでしょうか。嫌な上司は、仕事の質で見返してやりましょう。

「何かあったら言ってくださいね」と自分のほうから上司に伝えておくといい