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べストセラー精神科医が指南!60歳・70歳から人生が楽しくなる7つの習慣その⑤「脳トレパズルはしない」

最高の脳トレはブログやSNSでの情報発信

何歳になっても今できることを減らさない

昔から「頭を使っている人はボケにくい」と言われます。歩かなければ足腰が弱るのと同じく、脳も使わなければ衰えていきます。

年を取るほど、「今日できていることが明日もできる」ことが大事になってきます。脳と体の衰えや老化は「以前は難なくできていたことが自力でできなくなる」というかたちで現れてくるからです。「今できることを減らさない」ことが、脳の老化を防ぐ最大のキモなのです。

ですから、脳の老化や認知症を防ぎたければ、「今できていることをこれからも続ける」のがいちばん。仕事ができるなら仕事を続ける。掃除や料理、洗濯などの家事も、これまで通り続ける。車の運転も、可能な限り続けたほうがいいのです。

これは、認知症の発症後や、要介護状態になった後も同じです。認知症や要介護の人には、周囲が心配して外出や仕事などをやめさせたり、身の回りの世話や手助けをしたりすることが多いのですが、自分でできることをやめさせてしまうと、認知症や要介護度の進行が早まります。

何歳になっても「今できることを減らさない」努力を続け、「自分でできることは自分でやる」ことが、老いを遠ざける秘訣なのです。

認知症予防のために、脳トレパズルに熱心に取り組む高齢者も少なくありません。確かに、かな拾いや計算などの脳トレ問題を解けば解くほど、点数はアップします。

しかし、研究者の間では、脳トレに対して否定的な見解が増えています。というのも、脳トレ問題の点数が上がっても、別のテストの点が上がらず、脳の活性化や認知機能の改善には必ずしもつながらないことがわかってきたからです。

脳を鍛えるには、考えたり知識を詰め込んだりするだけではなく、脳のさまざまな機能を全体的に使い、新しいアイデアを考えたり自由な創作を行うなど、クリエイティブなことに頭を使うことが必要です。

情報発信は意外に簡単。でも頭はフル回転する

ブログやSNSは、最高の脳トレになります。ただし、インスタやツイッターで流れてくる情報を眺めているだけでは、大して脳トレ効果はありません。私がお勧めしたいのは、自分が書き込みをして、情報の発信者になることです。

人と会話をすることは脳へのよい刺激になりますが、書くこと、それも不特定多数に向けた文章を書く行為は、会話以上に脳を活性化します。他人が読んでおもしろい文章を書くには、ネタ選びから文章の表現、全体の構成まで考えて書かなくてはいけません。読む人が不快な思いをしない気配りも必要です。短い文章でも、頭はフル回転します。

加えて、自分から情報発信をすると、それにコメントが付き、見知らぬ読者とのやりとりが生まれます。こうした交流も、いい刺激になります。SNSの多くは無料で、アカウントの開設も意外と簡単。情報の発信に挑戦してみましょう。

この記事は『ゆほびか』2022年11月号に掲載されています。

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