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【本田健】【夫婦関係のメンテナンス】で女性も男性もお金の状況は劇的に変わる

億万長者はパートナーに感謝を惜しまない

 女性の経済的状況は、結婚するのかしないのか、また、結婚した相手が稼ぐ力があるのかどうかによって、大きな影響を受けます。

 専業主婦になるには、夫の年収は800万円は必要だと言われています。ところが、独身男性で600万円以上の年収がある人は、5%しかいません。現実には、多くの人が年収400万円くらいの相手と結婚するわけです。夫婦ともに同じ稼ぎがあれば、トータルで年収800万円にはなる計算です。

 しかし、結婚すればお金の心配がなくなるかと言えば、そうではなく、子どもが生まれたり、お互いが病気になったりすると、むしろ心配は増えるかもしれません。
 そんなときに、支えになるのが、パートナーとの良好な関係性です。

 最近は、共働きカップルが増えていますが、夫婦別会計の人も少なくないようです。私の印象では、夫婦別会計の人は、別れる確率が高いように感じます。

 一緒に人生を歩んで行こう、家庭を築いて子供を育てようというのが結婚です。そんな中で「お金だけは別会計」というのは、そのぶん夫婦が溶け合っていないことを意味します。共同で作り上げるはずの資産を、最初から分けていることで、離婚もしやすいわけです。

 億万長者の調査で興味深いのが、彼らは「自分の成功はパートナーのおかげ」と思っているところです。

私が20代の頃、大富豪の家でお世話になり、ご夫婦の若い時代の苦労話を聞く機会がありました。彼らも若い頃、お金のない時期をしのいできたのです。その話を懐かしそうに話している夫婦には一体感があります。一人では無理でも、この人と一緒だから乗り越えられた。そんな体験は心を深く結びつけます。

 そうしたカップルとは逆に、成功していない人は、「このパートナーだからうまくいかない」と思っているというデータがあります。

 この違いは、お金がない時期を力を合わせて乗り越えた体験があるかないかの差ではないでしょうか。

一時的な感情で結婚・離婚を決めない

 私は、結婚や離婚の相談もよく持ちかけられます。その時感じるのは、結婚や離婚は、いっときの感情でしないほうがいいということです。

「この人が大好き」と盛り上がって結婚し、「顔も見たくない」と離婚する女性がいます。ところが多くの場合、そのどちらも、ずっと続く感情ではありません。

 結婚は二人のエネルギーが上手に溶け合えば、愛情も経済的な豊かさも、日増しに増えます。ところがお互いに対話や努力をめんどうくさがったりすると、愛が苦々しさに変わるのです。

 そこで離婚してしまう夫婦が多いわけですが、離婚には大きな負担が伴います。経済面では、資産をどう分けるか決めないで離婚すると後々苦労します。結婚して10年未満での離婚だと、ほぼ80%の夫婦が財産分与の取り決めをしていないというデータがあります。財産分与をしたとしてもおよそ40パーセントが100万円以下だそうです。

「離婚するほうが結婚よりうんとエネルギーが必要だった」とはよく聞く言葉です。精神的なダメージは言うに及ばずです。

 専業主婦が長い場合、もし離婚したらその後の生活をどうするか、計画を立てなければなりません。

 自分に経済力がないと、離婚という選択肢は取りにくいでしょう。子どもが小さくて「お金のことで離婚できない」という女性もたくさんいます。パートナーと対等な関係を保つためにも、女性が経済力をつけておくことは必要です。経済力があれば、人生の選択肢が広がるのです。

 パートナーとの関係においても、適度な緊張感があったほうが結婚生活がうまくいく面もあります。

 経済力を備えておくと、もしパートナーに何かがあった時にも、慌てずに済みます。

パートナーの万一に備える「稼ぐ準備」

 現実的に、50代以降になると、パートナーが病気になったり亡くなったりと言うことが増えてきます。

 夫婦の生活は、2人で築くものです。もしパートナーが、病気などで役割を果たせなくなったら、それは自分が引き継いでいかなければならないのです。パートナーが稼げなくなったとき、経済的な援助を受けられる公的制度はいろいろあります。いざというとき、そうした制度を調べて、すぐ使える程度の知識は身に着けておきたいものです。

 また、「私があなたの代わりに稼ぐから安心して」と言えるカップルは、愛情がさらに深まるはずです。

「でも私は専業主婦だから」という人も、稼ぐ道はたくさんあります。
現在、40代以上の女性たちが20代の頃は、「女性は結婚したら仕事を辞めるものだ」という雰囲気が、今よりもあったように思います。
 今は女性の生き方が多様化していて、夫の給料だけで生活するという時代ではなくなってきました。

 そんな中でも専業主婦をしている人は、「積極的専業主婦」と「消極的専業主婦」の2つに分かれます。積極的専業主婦は、自分は外で働くより、家族のために家のことをしているほうがよいという生き方です。

 それに対して、消極的専業主婦は、子育てや介護のために仕事を辞めざるを得ず、結果として主婦を続けていると言う生き方です。

 どちらがいい悪いという話ではありませんが、それによってこれからできることが変わります。

 どちらも、今働いていないからといって、一生稼げないということはありません。積極的専業主婦のかたであれば、夫や子ども、家族のためにしていることが、これからの自分の生きがいや、思わぬ才能発掘につながっていくことは多いものです。

 主婦のかたは、この機会に、自分が好きで、家族に喜ばれていることを収入に結びつける方法を考えてみましょう。

 そして、それに関する知識やスキルを身につける、人脈を広げる、いざとなったらこういう仕事をしようと考えておくといった、準備をしましょう。

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