「お金を使いましょう」という現代社会の心理操作
あなたがもしお金持ちになりたいのであれば、「お金があったら何かものを買う」という習慣から離れる必要があります。
というのは、現代社会では「お金を使いましょう」と言うメッセージが、テレビや雑誌、インターネットであふれています。
どんな商品も「あなたはこれを買えば幸せになります」「豊かになります」「健康になります」と、あなたにお金を使わせようとするのです。
これは、社会にお金を巡らせるシステムの一部でもあるのですが、それに惑わされないようにしなければなりません。
例えばレストランで食事をするにしても、1万円のディナーを食べるのか、5000円のコースにするのか、それともおいしい定食屋さんで1000円の食事にするのかで、出費は全然違います。
豊かさを身につけるために、豊かな場所で食事するという考え方もありますが、冷静に現実を見ると、ただ贅沢な食事をすることだけで収入が上がるということはありえません。自分が本当はどうしたいのかを、日ごろから意識しておくといいと思います。
知っておきたいのは、私たちは、自分の経済状態よりも1つか2つランクが上のものを欲しくなるように、心理的に操作されているということです。衣食住すべてにおいて、自分が稼いでいるランクに合わせて情報が入ってくるようになっているのです。
可能な範囲で自分にとっては「これはもっと安くてもいいな」というものに関しては、これまで買ってきたものよりも1つか2つランクを下げてお金を使うようにすると、それだけでかなりの額を節約することができます。
この習慣を続けることで、今まで減り続ける一方だった通帳の残高がだんだん増えていくことでしょう。
実際に欲しいもののランクを一つ落とすと、収入と支出のバランスが取れるようになります。もう一つランクを落とすと、お金の不安も解消していくはずです。
一生お金を引き出さない「億万長者口座」
お金持ちの中には、あえて一生使わない口座を作ってお金を積み立てている人が少なくありません。これは、いざというときの備えではなく、子どもや孫たちのために残してあげようというものでもありません。
ただ死ぬまで全然手をつけない「億万長者口座」があって、その口座にお金をどんどん貯金していくのです。なぜ、お金持ちはこのようなことをするのでしょうか。
お金に縁がない人ほど「そんなお金はないのと同じなので使ったほうがいい」と考えがちです。
けれども、一生お金を引き出さない口座を持っていても、豊かな暮らしができるのがお金持ちです。
自分が使い切れないお金を持つからこそ、心に余裕ができて、変なお買い物に浪費しなくなります。
このお金持ちの本質がわかった人は、「億万長者口座」を開いてみてください。そして、一生引き出さないと決めて、少しずつでも貯金してみましょう。これだけでお金持ちになる芽が出てくるはずです。
もう一つお勧めしたいのが、「お金の不安を解消する保険金」を貯めておくことです。お金の不安は人生をむしばみます。
あなたはどのぐらいの額があればお金の不安が消えるかイメージしてみてください。人によってその金額は違うでしょう。100万円、一千万円、あるいは一億円と言う人もいるでしょう。その額を貯めると心に決めてください。貯めている間も、貯めたその後も、その口座には手をつけません。
「人生の最後までこのお金に手をつけない。だから私はお金に関しては何の不安もない」という状態をつくるのです。するとお金の不安は全く違ったものになるでしょう。
お金持ちはお金に異常な執着をするわけではなく、稼ぐことや貯めることに躍起になっているわけでもありません。けれども、お金が彼らを助けてくれることを誰よりもよく知っています。ですから、彼らはお金に対して友情を持っているのです。
海外旅行に行きたい。大切な人にプレゼントしたい。会社を作りたい。こんな洋服を着たい。そんな時にお金と言う友人は、あなたの望みを叶えてくれます。適度な距離感のある、大事な友人に接するように、お金と接してみましょう。