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【足し算食べ】我慢なし、間食OKで糖質を味方にする極意②~ 腹持ちよくやせにくくなる「足し算食べ」6つのコツ

「足し算」するほどやせやすい体に

 食後血糖値の上昇を緩やかにし、腹持ちもよくしてダイエットに役立つ「糖質の足し算食べ」。

 前回は、油を足す例を挙げましたが、ほかにも、
・卵・チーズなどのたんぱく質
・キノコ・海藻などの食物繊維
・キウイ・リンゴなどの果物
 などの足し算食べが効果的です。

 また、何かを足すわけではありませんが、同じ内容の食事でも、先におかずを食べた後にご飯を食べる「糖質の後食べ」が極めて効果的です。

 私たちは、足し算食べで血糖値の上がり方がどう違ってくるか、実験で調べました。

 血糖値が正常な女性8人(30〜60歳)が、次のような食事を取った場合の食後血糖値の変化を比較しました。なお、食べたのは600㎉に抑えた食事(コントロール食)です。

❶最初からご飯を普通に食べる
 ご飯、おかず、汁物と、順番に繰り返し食べていきます(三角食べ)。最初のほうでご飯が口に入ります。

❷ご飯の後食べ+キウイ
 食事の開始から15分ほどはおかずだけを食べ、その後ご飯とおかずを食べます(後食べ)。食後にキウイ1個を食べます。

❸ご飯の後食べ+油+キウイ
 ❷と同じく後食べしますが、オリーブ油15g をおかずに加えます。食後のキウイは同じ。

❹ご飯の後食べ+油+食物繊維+キウイ
 ❸と同じくし、野菜やキノコなど、食物繊維量として7g 以上を足します。食後のキウイは同じ。

 その結果、❶は食事の直後に、血糖値が一気に上がりました。それに対して❷❸❹は、いずれも血糖値の上がり方が抑えられました。最も数値がよかったのは❹です。

 このことは、炭水化物の後食べをした上で、足し算によって、血糖値の急激な上昇を防げることを示しています。油や食物繊維・果物などを足すほど、上がり方が緩やかになることがわかります。

 つまり、足し算食べをするほど、糖尿病などの予防や改善にも役立つわけです。同時に、体に脂肪を蓄積させるインスリンの分泌が抑えられるので、太りにくくやせやすい体になります。

 その結果、高血圧や動脈硬化の予防にもつながります。

 カロリーだけにとらわれていると、油や果物を足すと「カロリーが高くなる→太る」と思いがちですが、そうではありません。糖質だけを取るから太るのであり、足し算すればやせやすくなるのです。

 なお、この実験では、コントロール食にたんぱく質が含まれていたので、たんぱく質の足し算食べは入っていません。

 しかし、普段、糖質だけの食事(おにぎり、ラーメン、ざるそばなど)を取ろうとするときには、たんぱく質を足すことによっても血糖値の上昇が抑えられます。

 我慢するより安全に糖質を楽しむ

 何の苦労もなく糖質制限ができる人はいいのですが、大部分の人はそうではありません。「糖質が食べたい」と思いながら、無理に我慢することになります。

 この「我慢」はクセモノであり、危険です。無理な我慢を重ねるほど、それが続かなくなったときには、糖質のドカ食いをしがちだからです。

 重要なのは、口からどれだけ入れたかではなく、小腸でどのように吸収されるかです。

 足し算食べをすれば、糖質を楽しんでも、油やたんぱく質や食物繊維などが、小腸からの糖質の吸収を阻害してくれます。

 下に、足し算食べの基本のコツ6つをまとめます。

①糖質に「油」をプラス

体によい脂肪酸を含むオリーブ油、エゴマ油、ココナッツ油、MCTオイルを活用するとよいでしょう。

一見、あっさりしていてよさそうなおにぎりやそば、パンなどは、単独で取ると血糖値が跳ね上がります。炒め物や揚げ物などの油料理と一緒に食べれば、血糖値の上昇が緩やかに鳴り、腹持ちもよくなります。例えば、そばなら、かけそばよりも天ぷらそばを選びましょう。

ノンオイルドレッシングは、油を使わない分、糖質でカバーしているので、実は高糖質で、血糖値を上げます。しっかり油を使ったドレッシングこそお勧めです。油を使うことで腹持ちがよくなり、ドカ食いも防げます。

②糖質に「たんぱく質」をプラス

チーズ、卵、乳製品、納豆、ツナ缶など手軽に足せるたんぱく源を活用しましょう。

お昼などに手軽に食べられるカップラーメンですが、それだけだとほとんど糖質だけの食事になって、血糖値の急上昇を招きます。

 こんなときは、ゆで卵やチーズのちょい足しを。ラーメンにお湯を注いだあと、ゆで卵とピザ用チーズを投入するだけで、たんぱく質と脂肪が補われ、血糖値の上昇が緩やかになります。

 急いでいるときは、おにぎりやパンだけですませがち。こういう糖質だけの食事は、カロリーが低くても危険です。コンビニなどで売られているカップスープに、鶏のから揚げなどを入れ、たんぱく質豊富な「おかずスープ」にして食べましょう。

③糖質に「食物繊維」をプラス

食物繊維は、サプリメントやドリンクではなく、基本的には、緑黄色野菜、キノコや海藻などの食品で取りましょう。かみ応えのある食品で取るほうが、血糖値の上昇を抑える効果が高いからです。パプリカ、シュンギク、ほうれん草などは食物繊維が豊富です。

キノコ類はどれも活用したい食品ですが、特にお勧めなのがマイタケ。食物繊維が豊富で歯ごたえがあるうえ、血糖降下作用があるαーグルカンという成分が含まれています。

 油で炒めたり、焼いてオイルドレッシングをかけたりすると、ますます腹持ちのいい一品に。汁物や鍋物などにもどんどん使いましょう。私は朝食にマイタケ料理を一品加える「朝マイタケ」を体にいい習慣としてお勧めしています。

④糖質に「果物」をプラス

果物は、吸収のよい単糖である果糖が多いので、ダイエットや血糖値管理のためには控えるべきだという専門家もいます。しかし、果糖は、砂糖に含まれるブドウ糖のように血糖値を急激に上げません。果物は食物繊維やビタミン、ミネラルも豊富なので、おおいに足し算食べに活用したい食品です。特に、キウイやリンゴ、ナシ、イチゴなどがお勧めです。

 足し算食べでは、「歯ごたえ」もたいせつにします。フルーツといってもジュースはNGです。ヨーグルトに、ベリー類やイチジクなど食物繊維の多いドライフルーツを加えて一晩置くのもよい方法。ドライフルーツがヨーグルトの水分で戻ってふっくらとおいしくなり、ヨーグルトも濃厚になります。朝食代わりにおすすめです。

⑤糖質の「後食べ」

まずおかずをおなかに入れてから糖質を食べると、血糖値の急激な上昇を防げます。といっても、先におかずを食べてしまうとご飯を食べるときに味気ないので、私は「おかずを3分の2食べた後、ご飯を食べる」という方法をお勧めしています。

また、ご飯やパン、麺類を食べる前に、糖質以外のものを取るのもお勧め。それに活用しやすいのが、チーズ、ナッツ、ギリシャヨーグルト。ギリシャヨーグルトは水切りして濃くしたヨーグルトで、近頃人気です。
 いずれも簡単に取れて、たんぱく質や脂肪を含むので、糖質よりも前に食べると血糖値の上昇が抑えられ、食べ過ぎも防げます。この3つは間食にもお勧めです。

⑥糖質を食べる「時間帯」

食事は取る時間帯も重要。つい糖質を多めに取っても、朝食ならそれで太ることはまずありません。糖質を多めに食べたいなら朝食かせいぜい昼食にして、夕食ではたんぱく質や野菜を多めに。食べる送料が同じでも、この配分をするだけでグッと太りにくくやせやすくなります。

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