財運が雨のごとく降り注ぐ---!
最強の龍神である八大龍王が持つ御力と、それをいただく方法を気鋭の神道家が解説します。
京都の神泉苑は八大龍王に近い場所
八大龍王とつながるうえでお勧めの寺社2つめは、京都市中京区にある東寺真言宗の寺院、神泉苑です。以前の回でも述べたとおり、空海と静御前の伝承の舞台であり、水神ゆかりの場です。
平安京の遷都と同時期に、池を中心とした大規模な庭園として造営され、800年頃から天皇や廷臣の宴遊の場になっていた場所です。
歴史の記録上、最初の花見となる嵯峨天皇の花宴の節もここで行われています。
そして824年、空海は龍神たちが棲まうとされる天竺の無熱池から善女竜王を勧請。以来、善女竜王の分霊は龍神・清瀧権現として法成就池に棲み、池は水はどんな日照りにも枯れることがないとされ、空海の後もたびたび密教僧による雨乞いが行われたと伝えられます。
清瀧権現こと善女竜王は、娑伽羅の娘ですから、厳密には八大龍王そのものではありませんが、法成就池は勧請された善女竜王を通じて、無熱池の八大龍王とつながっていることになります。
神泉苑は、日本の中でも有数の、とても八大龍王と近い場所ということができるでしょう。
境内には弁天堂も置かれるほか、池の中ほどには善女竜王社があり、そこまでの池上に法成橋がかかっています。
この橋こそ、静御前が舞い善女竜王の効験を得るとともに、義経と出会ったと伝えられる場です。毎年5月に行われる神泉苑祭では、それに因み、ここで「静御前の舞」が奉納されています。
熊本の幣立神宮には八大龍王の住む池がある
八大龍王とつながるうえでお勧めの寺社3つめは、熊本県にある幣立神宮です。
初代天皇こと神武天皇の孫、健磐龍命が、この地の眺めのよさに心を動かされ、幣帛(神前の捧げもの)を立てて天津神や国津神を祀ったことに始まると社伝に記されています。
高天原神話発祥の神宮とされ、創建年は不詳。樹齢一万五千年といわれるヒノキの巨樹がそびえ立ち、この地に足を一歩踏み入れただけで、厳かな霊気が漲るのが感じられるほどです。
主祭神は神漏岐命と神漏美命。記紀神話において天地開闢がなされるよりも遥か前に、火の玉に乗って現れたとされる2柱ですから、龍王とは一見、関係なさそうです。
しかし、幣立の社からその霊場を下に降りると、北東の位置に東水神宮が建ち、東御手洗と呼ばれる池があります。
そこを訪れて池を見渡すと、今にも龍や水神が出てきそうな感覚を覚えますが、実はこの池には「太古より八大龍王が鎮まるところ」との由緒があるのです。
由緒には「北辰妙見の大神が祀られ、神代の天の村雲姫が水徳を頂かれた場所」ともあります。
「北辰」とは北極星、「妙見」とは千里眼のような意で、妙見菩薩のこと。
妙見菩薩は、仏法を守護するとされる天龍八部衆のうち天部に属しますが、宝珠を手にし、龍の背に乗り下界を見下ろす絵図がありますから、龍王とも大いに関わるでしょう。
私はこの池に、大きな秘密、力が隠されていると思っています。
(次回へ続きます)