私たちが人生を切り開いていくにあたり、開きたい運の種類によって、風神のエネルギーと雷神のエネルギーを使い分ける必要があります。どちらかだけでは十分とは言えないのです。
ですから私はこれまで「引き寄せを望むときは風神に、願望実現を望むときは雷神に頼みなさい」とアドバイスしてきました。
「引き寄せと願望実現はどう違うの?」と思った方もいるかもしれませんね。その点を含め、当連載で詳しく見ていきましょう。
風神は女性的、雷神は男性的なエネルギー
前回お話しした風神がつかさどる水平軸のエネルギーと、雷神がつかさどる垂直軸のエネルギーについて、もう少し具体的に説明しましょう。
水平軸のエネルギーは、陰陽で分類すると陰にあたり、性別でいえば女性的なエネルギーです。思いやりや共感、協調性、人と人とをつなぐコミュニケーション力を育みます。
一方、垂直軸のエネルギーは、陰陽でいえば陽、性別でいうと男性的なエネルギーです。
我を際立たせて、強い意志とやる気、自信、闘争心を高め、トップに立って人々を従え、引っ張っていくカリスマ性やリーダーシップを強化します。
風神と雷神のどちらにお願いすればよいかは、自分がどの種類の運氣アップを望むのか、どんなパターンで開運していきたいのか、そのときの状況や目的によって変わります。
風神がつかさどる水平軸のエネルギーには、不幸や災いを風とともに吹き飛ばし、すべてをつないでくれる縁結びのパワーがあります。
これによって、あらゆるものを受け入れ、流れに身を任せていくことが、そのまま開運につながります。
誰かのために猛烈にがんばるわけでもなく、自分の利益を強く追求しているわけでもないのに、気づけば物事がうまくいく。周囲からも愛されて、どんどん幸せになっていく。そんなイメージです。
よい人間関係やお客様に恵まれることは、結果として金運ももたらします。
風神のエネルギーは、他力本願的に願いをかなえていくアプローチであり、いわゆる「運がいい状態」へ、私たちを導いてくれます。つかみ取りに行くというよりは、引き寄せる感覚です。
一方、雷神がつかさどる垂直軸のエネルギーには、燃え上がる火のような激しさと強さがあります。我と神とが直接つながり、我だけにエネルギーを一点集中させて、天に向かって上昇していくイメージです。
起業やビジネスで成功する、競争に勝ってトップに立つ、サバイバルで生き残るなど、自分の力で運命を切り拓く強力な願望実現のエネルギーになります。
このエネルギーは、絶望的な状況に陥ったときにも力を発揮します。一発逆転をもたらす爆発的なパワーや、稲妻のようなひらめきをもたらしてくれるからです。
また、仕事などで壁にぶつかり、これまでの自分よりも一段高い能力が必要になったとき、点火したロケットがすさまじい勢いで飛んでいくように、自分の限界を打ち破る突破力も与えてくれます。
優良企業はエネルギーのバランスが取れている
これらの運氣エネルギーの違いがわかりやすく現れるのは、ビジネスの世界です。
例えば、ユーザーの評価を得て一気に世の中に広がった商品やサービスが、トップのリーダーシップ不足のために進むべき方向を誤り、その後の展開がうまくいかずにしぼんでしまうケースをしばしば見かけます。
この場合は、風神のエネルギーに乗って世の中に広がったものの、もう一段上のレベルに引き上げる雷神のエネルギーが足りなかったと言えます。
あるいは、突出した能力でいったんは成功した起業家が、その後に部下や顧客の支持を集められず、世の中から消えてしまうケースもよくあります。
これは、雷神のエネルギーだけに頼ったために、風神のつかさどる人間関係や千客万来に恵まれなかったと言えます。
50年、100年と続く優良企業の歴史を見ると、傑出したリーダーや画期的な商品・サービスが登場して一段上のレベルへ突き抜ける雷神のエネルギーが強い時期と、その商品やサービスが世の中に広がっていく水平軸のエネルギーが強い時期が、バランスよく交互に訪れていることがわかります。
雷神のごとく一人勝ちしても、風神がもたらす千客万来がなければ、ビジネスは成功しません。風神と雷神の両方のエネルギーを状況に応じてバランスよく取り入れることが不可欠なのです。
自分の幸福の追求を周囲の幸福にもつなげる
もちろん、話はビジネスに限りません。
私たちが人生で目指すべきは、自分自身の幸福を追求することが、そのまま周囲の人々の豊かさや幸せに直結するような道です。
あなたが幸せになることで周りが不利益を被ったり不幸になったりしてはいけませんし、逆に、自分ばかりを犠牲にして、周囲や世の中のためだけに尽くすのも自然なこととは言えません。
利己と利他を矛盾なく両立させて豊かな人生を送るために、風神と雷神の両方とつながって、運氣エネルギーを得る方法を会得しましょう。
次回は、その具体的な方法をご紹介します。
(次回に続きます)